飲食店の商品を家や企業に届ける「フードデリバリーサービス」の広まりを受けて、警視庁は16日、「ウーバーイーツ」や「出前館」など主要6社の自転車の配達員40人を集め、安全運転のポイントを教える講習会を開いた。複数の業者向けのこうした取り組みは全国で初めて。配達員による交通違反や事故が深刻で都民から苦情も寄せられており、今後も必要に応じて開催するという。
ほかに参加したのは、フィンランド発の「ウォルト」、酒類を運ぶ「カクヤス」、日替わりの弁当などを届ける「ワタミ」、居酒屋「塚田農場」の関連会社の自転車配達員。
講習会ではまず、スタントマンが見通しの悪い交差点など様々な条件下で起きる自転車同士の事故や車との事故を再現。危険性を伝えた。その後、警察職員が交差点の死角やその確認の仕方、正しい走行方法などを教えて、配達員が自転車で練習をした。
参加したウォルトの配達員勝又洸嗣さん(30)=東京都新宿区=は「気持ちが引き締まった。安全確認を徹底しないといけないと思った」と話した。
こうしたサービスを巡っては、自転車の配達員の事故が後を絶たない。警視庁によると、都内では7~11月に75件あった。8月には、豊島区でウーバーイーツの配達員の男(37)が歩行者にぶつかり、逃走する事件が発生。男は11月に道路交通法違反(ひき逃げ)と重過失傷害の疑いで書類送検された。ほかにも配達員が死亡する事故や、首都高に進入する事案も起きている。
警視庁は「配達員の事故を含め、自転車の事故が減るよう指導や取り締まり、交通安全教育を徹底していく」としている。(角詠之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル